遠藤翼選手インタビュー (vol.4)~北米・日本でのサッカー環境

日本から直接北米の大学、そしてMLSへとサッカーキャリアの道を進んだ遠藤翼選手。日本と北米のスポーツを両方知るからこそ感じた、サッカー環境の特徴と違いについて話してもらいました。

日本と北米のサッカー環境の違い

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遠藤翼選手インタビュー (vol.3)~メンタリティーと日本代表の夢

プロサッカー選手として、カナダ・トロントで順調にキャリアを前進させる遠藤翼選手。コンディショニングの重要な要素である「メンタル」を中心に、今回はインタビューしました。

プロとアマチュアの違いとは?

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サッカー選手の「股関節」マッサージ・ストレッチ

先日いらっしゃったサッカー選手の悩みは 「股関節が硬くて素早くサイドキックを早く出せない」こと。

サッカーのサイドキックは足の内側でボールを蹴るので、上から見た時に、踵を軸にサッカシューズのつま先が90度横を向いた状態にならならなくてはいけません。

しかし、彼は股関節が硬いので、下半身だけでこの動きを作り出すことができません。上半身も、下半身の動きにつられてしまうのです。

結果として、開きの悪い足の位置を、上半身と一緒に体を開くとともに、サイドキックのポジション(足を90度開くポジション)

まで強引に持ってくる 、というアクションが加わるので、どうしてもパスを出すタイミングが遅くなるのです。

柔軟な股関節がパフォーマンス・チャンスを左右する

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カート・ブラウニング & TAD式 フィギュアスケートジャンプの跳び方

「フィギュアスケートのジャンプの跳び方のコツは? 」

世界チャンピオンになること、4回。スケートの神様とも評される、そして私の友達でもあるKurt Browning(カート・ブラウニングさん)。彼にフィギュアスケートのジャンプについて、冒頭の質問をしました。

カート「コツは高く跳ぶこと」

私「????」

「身体をこの角度に保って」

「このタイミングで踏み切る!」

など、細かいコツ・アドバイスを想定していたので、最初聞いたときは拍子抜けする答えでした。

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遠藤翼選手インタビュー (vol.2)~2019年のToronto FC

サッカーリーグMLSのトロントFCで活躍し、私がコンディショニングをサポートさせていただいている遠藤翼選手に、現在のクラブに至るまでのユニークな道のりを前回は紹介しました。

その遠藤選手、先週のアトランタ・ユナイテッド FCとの一戦で、トロントFC史上最速となる開始27秒でのゴールを決めました。

ハイライトの最初のプレーで翼選手の史上最速ゴールが見れます

名だたるスター選手が参戦、実力も注目も右肩あがりのMLSで活躍する遠藤選手に、トロントFCでのリアルな毎日、そしてマインドセットについて語ってもらいました。

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サッカー選手の「足首」ストレッチ

サッカー選手のコンディショニングにおいて、気をつけることは、一に足首、二に足首、三も、四も足首、五に足首です。

サッカー選手の足首にこだわる理由

それほどまでに足首にこだわる理由は、足首をコンディショニングすることにより、

  • 走るのが早くなる
  • 動きが柔らかくなる
  • 方向転換が早くなる
  • 動きが大きくなる
  • 疲れにくくなる
  • 捻挫しにくくなる
  • ジャンプが高くなる
  • キックが正確になる
  • キックが強くなる

という、ポジティブな結果・効果が出る事を、サッカー選手を施術した経験上知っているからです。

足首に問題が起こるメカニズム

足首に対して正確な対応策を身につけるためには、まず足首に関連する体のメカニズムを理解することが必要です。

1、足首に疲れがたまってしまう理由は?

走ったり、軸足となったり、方向転換をする際にかかる全体重を支え、動かす力のストレス足首に最終的に溜まる事が多いからです。

2、足首に蓄積した疲れを自覚しにくい理由は?

足首を動かすのは、長くて細い筋肉のグループ。そのグループ構造の半分は腱であるため、感覚神経の分布も少なく、硬くなっても違和感を感じにくいからです。

3、足首をストレッチしにくい理由は?

足首の部分をストレッチするには、足首の関節の動きを利用します。が、足首の関節可動域は限られているため、この関節に付着する長い筋肉をストレッチするために十分な動きを作り出すことが難しいのです。

また、足首を動かす筋肉の半分近くが腱なので、そもそもストレッチで伸ばすことは簡単ではありません。

4、足首に疲れが溜まっているサインは?

  • 足の甲に痛みがある
  • 走るのが遅くなった
  • 疲れやすい
  • 垂直ジャンプが低い・低くなった
  • 左右の動きの反応が遅い・遅くなった

などの症状を感じたら、下記の足首疲れチェックをしてください。

  1. 仰向けに寝て、足の指先で床をタッチできるか?
  2. 両足のかかとを付けたまま膝を曲げて、腰を完全に下までおろせるか?

これらの動作ができない時は足首に疲れが溜まっています。

【TAD式アプローチ】足首のストレッチ・マッサージ

上記のように、関節の可動域が小さく、腱が占める割合も多い足首。その足首に対して、周辺の筋肉と関節の構造をうまく活かした下記のアプローチをぜひやってみてください

前脛骨筋を丁寧にストレッチ&セルフマッサージ

筋肉ボディ と腱をそれぞれ緩める

Fibula(腓骨)を丁寧にストレッチ&セルフマッサージ

長腓骨筋、短腓骨筋それぞれ緩める

腓腹筋のストレッチ&セルフマッサージ

ふくらはぎの真ん中や、膝裏の両側を緩める

ヒラメ筋のストレッチ&セルフマッサージ

足首の近くや膝裏の真ん中を緩める

足指の間のセルフマッサージ

サッカーでのパフォーマンスに直結する足首のコンディショニング。色々な角度からコンディショニング・アプローチする事により、確実に効果が上がるコンディショニングが見込まれます。

サッカー選手の「ふくらはぎ」ストレッチ

Photo by JC Gellidon on Unsplash

サッカーで酷使することが多く、疲れも溜まりやすいふくらはぎ。このふくらはぎの筋肉を的確に緩めると、かかとを床から持ち上げる動き(つま先立ち)が良くなり、サッカー・スポーツでのパフォーマンスが段違いが上がります。

実は二種類あるふくらはぎの筋肉

ふくらはぎののストレッチといえば、皆さんもご存知の、壁を押すポジションでのストレッチ。このストレッチが基本になるのですが、ふくらはぎには、二種類の筋肉がある事を理解してストレッチすることがポイントです。

上記の壁押しふくらはぎストレッチでは、その二種類両方の筋肉がストレッチされます。が、慢性的な疲れが溜まっているのは、多くの場合二層目の筋肉です。ただ漫然とふくらはぎをストレッチするのでなく、この奥の二層目の筋肉を中心にストレッチすると、断然その効果が上がりやすくなります。

【Tad式アプローチ】ふくらはぎ、二層目の筋肉ストレッチ

二層目の筋肉を伸ばすためには、ふくらはぎストレッチ基本形の壁を押すポジションで、ストレッチ時に膝を曲げます。

一見「それではストレッチ効果がないのでは?」と思うかもしれませんが、二層目の筋肉にたいしてはこのフォームが効果が上がりやすいのです。

なぜひざを曲げてストレッチすると効果的なのか

ふくらはぎにある二種類の筋肉(表面にある筋肉と、奥にある二層目の筋肉)はほぼ同じ場所に存在するので、壁を押すストレッチで両方伸ばすことが出来ます。その反面、片方の筋肉にフォーカスしてストレッチするのも難しいのです。

奥のふくらはぎの二層目の筋肉は、ひざ下に付着しているので、壁を押すポジションでひざを曲げても伸ばすことができます。これで、奥に二層目の筋肉にフォーカスするには膝を曲げる必要があるのです。

逆に、表面にあるふくらはぎの一層目の筋肉は膝の上まで来ているので、壁を押すポジションで膝を曲げてしまうと伸ばすことが出来ません。

このように、少し頭を使って筋肉の仕組みを理解すると、同じようなストレッチでもとても効果的なものにすることができます。

【Tad式アプローチ】壁を押すポジションで不十分なときの、ふくらはぎストレッチ

ふくらはぎの、奥の二層目の筋肉の緊張は非常に強いことがあります。なので、壁を押すストレッチだけでは不十分なケースがあります。この時にお勧めな方法をご紹介しましょう。

床の上で、運動会の徒競走の「位置について〜」のポジションをとってください。この、膝を曲げて、腰を下ろし足首は曲がった状態で、体重をかけてふくらはぎをストレッチします。

自分の体重を調節しながら、安全に十分な負荷をかけることで、より効果的なストレッチをする事が出来ます。

このように、体の仕組みを理解し、的確にアプローチするアイディアの積み重ねが、TAD式コンディショニングのベースです。

ふくらはぎが、なぜサッカーで大切なのか

上記の「位置について~ストレッチ」によって、足首の関節の可動範囲が広がるとともに、ふくらはぎの筋肉の収縮性が回復するので、次のような効果が見込まれます。

  1. 垂直跳びが高くなる
  2. 足首の蹴りが強くなるので、走るのが早くなる
  3. 足首が柔らかくなるので、動きが素早く&大きくなる

この変化は、サッカーでの実際の動きとしては

  1. 高く飛べるので、ヘディングで競い勝てるようになる
  2. 走るのが早くなるので、試合中の走行距離が自然と伸びる
  3. 動きが素早く大きくなるので、相手が自分の動きについてこれない

のような違いとして現れます。

【Tad式アプローチ】ふくらはぎとセットで行うと効果的なメニュー

一緒に行うメニューとして、足の甲のコンディショニングを紹介します。

やり方は簡単。足の指を上に反らすと、甲に五本の腱が浮き出ますね。その、甲に浮き出てくる五本の腱の間を、マッサージして緩めます。この腱の間を緩めると、足で踏ん張りが効くようになり、体の安定感が増します。早い動きや、力を入れる動きをすると、安定感の違いがわかります。

そして、最大のメリットは、体の動きの基本である足首のコンディションを整える効果があるので、全身の故障防止に繋がる事です。

サッカー向けのマッサージ・ストレッチとは?

サッカーに限らず、どんなスポーツでも、練習の後に「足首、膝、股関節の下半身を中心に、十分ストレッチしときなさい」と言われますよね。言うのは簡単ですが、ほとんどの場合において、本人はもちろん、指導者も正確なストレッチの方法を理解していないのが現実です。

正確さに欠けるストレッチはアスリートにとって無意味です。

当然効果は見込まれず、結果として「ストレッチ大嫌い」という事になります。

ストレッチで大切なことは?

大切なことは三つです。

  • 自分の疲れているところ・改善すべきところを正確に見つけること
  • 的確な方法で、問題箇所にアプローチすること
  • このプロセスを通じて、怪我の防止やフィジカルの向上という効果に直結させること

自分のフィジカルパフォーマンスが目に見える形で向上して、喜ばないアスリートはいません。

私はこの方法で、アスリートのストレッチ嫌いを解消する事に成功し、大目的であるコンディショニング効果を飛躍的に向上させる事に成功してきました。

その際に気をつけるてほしいことは、「人それぞれ、ボディサイズやコンディションが違うので、ベストなストレッチ法も人それぞれ違う」と認識する事です。

ここを理解しないで一般的なマッサージ・ストレッチを全員に強要しても意味がありません。

まずは3つの関節。サッカー選手の正しいストレッチに繋がるコンディションの見分け方

サッカー選手は走ることが多いので、下半身にまずはフォーカスしましょう。

足首、 膝、 股関節、の3つの主要関節をメインターゲットに考えます。

  • 足首の見分け方

床に仰向けに寝て、足首を曲げて指先で床に触れるか?

触れなかったら、前脛骨筋を伸ばす必要があります。

  • 股関節の見分け方

床に仰向けに寝て、腰が床から浮かないか?

腰が浮いていたら、ヒップフレクサー(股関節回りの筋肉群)を伸ばす必要があります。

  • ひじ関節の見分け方

ひじの上のお皿の上を横一直線に深く押して、際立つ硬さはないか調べる?

硬い場所があったら、大腿四頭筋をまんべんなく緩める必要があります。

サッカー選手のコンディショニング不良の原因を見抜く方法

「コンディショニングが悪いのはわかるけど、根本的な原因がわからない」

そのような時は動画で、走る姿を前方と横から撮り、自分のクセを観察することがおすすめです。自分では気づかない体の使い方・意識の癖に気づくことができます。

次の2つの写真は、走るフォームを撮影したものです。

走って左ひざを曲げるとき
走って右ひざを曲げるとき

左右のひざの位置のブレが目立ち、バランスの悪さが顕著です。

ちなみに、本人には自覚はありません。

膝の位置がブレている原因は、3つ考えられます。

  1. 自分の感覚と、実際の体の動きが根本的にずれている
  2. ももの筋肉の内側と外側のバランスが悪く、強い筋肉側に引っ張られている
  3. 腰の動きの悪さが、ひざの動きに影響を与えている

この写真の方のケースでは、3つ目の「軸足となる左の腰の動きが悪かった」ことが根本原因でした。腰の歪みが、右ひざの不自然な動きを誘発していたのです。改善に向けたアプローチとして左股関節を緩めると、右ひざの動きが改善しました。そして、仕上げに大腿四頭筋のバランスを整え、足首も緩めてコンディショニングを終えました。

根本原因を見極めるときには、脚や腕という関連する動きごとにコンディショニングしたり、時間経過によるコンディションの変化も観たりもします。良いパフォーマンスを継続的に出すには、痛みや問題点を見えなくするのでなく、根本原因にアプローチにすることがなによりも大切なのです。

サッカー向けのベストなストレッチ=自分の意思で、正確な場所に、正確なアプローチ

前述のようなプロセスを説明しながら行うことにより、サッカー選手本人の興味・理解自体が深まります。そして、的確なアプローチにより結果が出ると、本人もコンディショニングに対して、本気になります。

練習しなくてもサッカーが上手くなる要素を発見することに、興味が無いわけが無いのです。

サッカーだけでなくすべてのアスリートにとって当てはまることですが、すべての方に当てはまる一定のストレッチがあるわけではありません。自分の意思で、正確な場所に、的確なアプローチをすることだと考えています。

Photo by Jeffrey F Lin on Unsplash

MLSに挑戦、遠藤翼選手 (vol.1)

遠藤選手とサッカーの出会い、そしてMLSへの挑戦

日本でのサッカーエリートコースを経て、2016年に北米最大のサッカーリーグMLSのトロントFCからドラフト一巡目での指名を獲得。単身でカナダでの挑戦を続け、ワールドカップ代表も視野に入れる遠藤翼選手にインタビューをしました。 

初回は遠藤選手とサッカーの出会い、そしてトロントFCまでの軌跡をうかがいます。

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退路を断った女子フィギュアスケート選手 オリンピックへの道(vol.5)

今まで4回にわたってご紹介してきた、日本を代表するフィギュアスケーターとなった彼女は、初対面の時から他のアスリートとは一味違う側面を持っていました。彼女は15歳で初めて私のもとにコンディショニングに来た時から、注文をつけてきたのです。

まだ若かった私は、一瞬「生意気!」と率直にいうと思いましたが、そんなことはお構いなしに、

「ここを、こうしてください。」と彼女から指示がきます。

私が、「ハイ、お疲れ様でした。終了!」と言っても、

「まだ、ここの緊張が取れてないのでお願いします」

と平気で注文して来ます。

そして、その注文内容が、いちいち的を得ているのです。

双方向スタイルのコンディショニングの目覚め

この彼女とのやりとりがきっかけとなり、今まで一方通行だった私のコンディショニングを改め、患者さんの体の反応を一回一回確認するという双方向スタイルを考案しました。

私のコンディショニングの、正確さと確実さを向上させてくれた大きな経験です。

そして、この経験は、その後オリンピック金メダルを導くコンディショニングへの基礎となったのです。

本人がコンディショニングを理解し、実践する

私がスケーターに出来る事は限られています。

この不足部分を補う鍵は、私側ではなくアスリート側にあることに気づいたことで、私のやるべき事が明確に見えたのです。

より良い結果を出すために、クリニック外でのアスリートをどの様にサポートするか。つまり本人が行うコンディショニングもセットで説明し、実践できるようにしました。

これは、普段コンディショニングしていても、予算などの関係で、肝心の海外試合の間にサポート出来ない状況に直面した際にも役立ちました。

私は日々のコンディショニングの中で、その意味やセルフケアを全て説明し練習します。なので、1〜2週間離れていても最低限のことは日々、アスリートが自分で対応できる状態を作り出すことができたのです。

そして副産物として、アスリート本人のコンディショニングに対する意識が高まり、好循環を生み出すのです。

この様な状況になると、コンディショニングの必要性を本人が本当に理解してくれます。

面倒なコンディショニングの虜になるには

一般の方はもとよりアスリートにも、面倒だと思われてします体のコンディショニング。そう思われてしまう理由は、その効果を実感して貰えるようなコンディショニングが出来ていないことにあります。

逆に言うと、その効果を伝える事が出来れば、本人がコンディショニングしたくてたまらないはずなのです。

きつい特訓することなく、自分のフィジカルがアップすることを嫌がるアスリートはいません。

  • 足首緩めて足が速くなる
  • 腰を緩めて体のキレが良くなったり、バランスが良くなる
  • 膝を緩めて垂直跳びがヤバイくらい高く跳べるようになる

このようなパフォーマンスの向上を、説明付きで実感してもらい証明してあげれば、どのアスリートもコンディショニングの虜になるのです。