カート・ブラウニング & TAD式 フィギュアスケートジャンプの跳び方

「フィギュアスケートのジャンプの跳び方のコツは? 」

世界チャンピオンになること、4回。スケートの神様とも評される、そして私の友達でもあるKurt Browning(カート・ブラウニングさん)。彼にフィギュアスケートのジャンプについて、冒頭の質問をしました。

カート「コツは高く跳ぶこと」

私「????」

「身体をこの角度に保って」

「このタイミングで踏み切る!」

など、細かいコツ・アドバイスを想定していたので、最初聞いたときは拍子抜けする答えでした。

しかし、スケートのジャンプをよくよく考えて分解すると、
1)身体を氷から持ち上げる動き
2)身体を空中で回転させる動き
なので、彼の言葉の意味は、高く跳んで空中にいる時間が長ければ、身体を回転させるのは簡単だということでした。

過去25年間、数多くの日本人に限らず、色々な国のスケーター&コーチの取り組み、そしてその結果を見てきた私も、納得せざるをえない答えです。

今回は、カート・ブラウニングさんとの数時間のインタビューで出てきた言葉のエッセンスを踏まえて、「フィギュアスケーターのジャンプが上手くなるため」に、マッサージセラピストの私がオススメするコンディショニングをご紹介します。

「高く跳ぶ!」には足首、ひざ、腰

彼のアドバイスである「高く跳ぶ!」に重要なコンディショニングのポイントは、下半身の要である、足首、膝、腰、です。

「そんな事は、わかっている!」と言われそうですが、「それぞれの部位のコンディショニングをどうやるのか具体的に言ってみて」という質問に、的確に答えられたスケーターは過去25年間に1人もいません。

という事で、下半身のコンディショニングの説明をさせてもらいます。

スケートにおける跳び上がる動作を分解すると、「足首・膝・股関節をバランス良く曲げて蓄えたパワーを、タイミング良く、逆動作で氷を蹴るパワーに変換する動作」です。

このパワーを生み出す為に、多くのスケーターが下半身の筋肉を鍛えているのですが、逆に重くなり、関節も硬くな、余計にジャンプが跳べなくなる現象に陥ります。

そこで私の提案は、筋肉鍛える前に、自分の体をポテンシャルを100%使えるようにすることです。

【TAD式アプローチ】ジャンプのためのコンディショニング

高いジャンプを跳ぶためのコンディショニングポイントを、3つのポイント部位ごとに説明します。

足首のコンディショニング

パワーを溜めるためには、深く足首を曲げる必要があります。

その時に大切なことは、足首を甲側に曲げる柔軟性を高めること。

具体的には、ふくらはぎをしっかりと緩めましょう。

膝のコンディショニング

パワーを溜めるためには、深く膝を曲げる必要があります。

ひざを曲げるときに大切なことは、ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を緩めること。

大腿四頭筋は幅の広い筋肉なので、内側、真ん中、外側の、それぞれの筋肉グループを、もれなく緩めるのことが重要です。

腰・股関節のコンディショニング

さらにパワーを溜めるためには、深く股関節を曲げます。

股関節をしっかりと曲げ伸ばしするためには、腸腰筋と大臀筋を緩めてください。

カート・ブラウニングさんのジャンプの極意の実践

冒頭で紹介したカート・ブラウニングさんのアドバイスである「フィギュアスケートのジャンプのコツは、高く跳ぶこと」。

それだけを聞くと禅問答のようですが、動作を分解することを通じて具体的なアクションを説明させていただきました。下半身の要である、足首、膝、腰・股関節の3つをセットでコンディショニングするだけで、自分の体のポンテンシャルを活かすことができ、結果としてジャンプの高さがなることは、私もカート・ブラウニングさんや各国のフィギュアスケーターを通じて経験してきたことでもあります。ジャンプに悩むフィギュアスケーターの皆さん、ぜひ試してみてください。

下半身の筋肉トレーニングも否定しませんが、短期間に大きく変化する可能性は低いです。逆に、下半身を鍛えなくても、コンディショニングすればジャンプが翌日高くなる可能性はあります。つまり、十分なコンディショニングが出来た上での筋肉トレーニングでなければ、効果はあまり見込まれないのです。

これが、世界チャンピオン4回 、スケートの神様カート・ブラウニングさんと、そして25年間、多くのフィギュアスケーターをサポートさせてもらったマッサージセラピストである私からのフィギュアスケーターへの提案です。

2件のコメント

  1. ピンバック: 織田信成という人

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