遠藤翼選手インタビュー (vol.4)~北米・日本でのサッカー環境

日本から直接北米の大学、そしてMLSへとサッカーキャリアの道を進んだ遠藤翼選手。日本と北米のスポーツを両方知るからこそ感じた、サッカー環境の特徴と違いについて話してもらいました。

日本と北米のサッカー環境の違い

Tad
Tad

前回、環境が大事という話が出ましたが、サッカーという文脈で、日本の環境はいいんですか?

僕が行っていたJFAアカデミーは、本当にサッカー漬けの毎日でしたね。サッカーに打ち込めたという意味では良かったと思います。「環境に甘えている」ということを言う人もいるかもしれませんが、環境に「良すぎる」はない。環境がいいことは、やっぱりいいことだと思うんです。
その一方、日本の大学でサッカーを続けると、百何十人人いる環境になるので才能が埋もれることはあることはあると思います。僕が高校を卒業してから行ったアメリカの大学は、25,6人だけでシーズンを戦う制度。才能が埋もれるということはないですよね。

Tsubasa
Tsubasa
Tad
Tad

なるほど。最初からもう選抜されているんですね。

そう、人数が少ないからちゃんと目が行き届く。そして環境もプロ以上にいい。

Tsubasa
Tsubasa
Tad
Tad

え、プロ以上。もう少し具体的に言うと?

(アメリカの大学サッカーは)全部の面で、プロ以上にいいですよ。ジムの設備からなにまで。ヨーロッパの3部のクラブとかよりも全然いいと思います。ヨーロッパでチャンピオンズリーグに出ているようなクラブは、環境のがいいのは当たり前ですが、そういうトップレベルでない、中堅~それ以下のクラブと比べるとアメリカの大学のほうが環境はいいですよ。
一つ例をあげると、イギリスのチェルシーはスタンフォードでプレシーズンを行うことが多いんです。その理由は、スタンフォードはプロ以上の環境・施設があるから。プレシーズンやるには最高の環境ですよね。

Tsubasa
Tsubasa
Tad
Tad

アメリカの大学スポーツは、お金がまわるシステムになっていることも原因かもしれないですよね。ファンや卒業生を含めて、お金があるから環境が整えられる、という大きな仕組みができあがっている。

その点は、アメリカの特徴ですよね。大学にベースとなるシステムがあるから、まず人が集まる。そして、NHLとかNBAなどの、カレッジスポーツからその後のステップアップもある。それで環境にお金を費やすことができる、という。

Tsubasa
Tsubasa

選手ごとのコンディショニングを重要視する北米

Tad
Tad

ちょっと話は戻るんですけど、日本でのサッカー漬けの日々が翼選手のベースになっていると聞きましたが、同じサッカー漬けにするでも、日本のサッカー漬けと、アメリカなどの北米のサッカー漬けって、違ったりします?

それはだいぶ違いますね。僕の経験では、日本では長くやればいいという考えがある点はあって、そのぶんクオリティが落ちちゃうケースがある気がします。

Tsubasa
Tsubasa
Tad
Tad

僕のエリアであるコンディショニングから考えると、体力差などの個別な点に目が届いていないようなこともありますよね。競技人口もが多いのもあって「生き残った奴が活躍する」というような面はサッカーに限らず、日本のスポーツ界にあるように感じます。アメリカなどの北米だと違うんですか?

そこは違いますね。アメリカは思ったよりも厳しくない、むしろ選手を大事にする。ちゃんと選手のコンディションを診て、メニューを組む印象です。日本だと走ればいいと考える方も多いから、体を壊したりするケースもあるかもしれないけど、こっち(北米)ではちゃんと話したりして、ちゃんと選手を診る、ことが大事にされている印象です。クオンティティー(量)よりもクオリティー(質)、という考えはあると思います。

Tsubasa
Tsubasa
Tad
Tad

日本と北米を両方体験した翼選手としては、どっちがいいとか悪いと言えるかな

僕は日本人で、日本で育ってきているから、中学・高校でたくさんやることに慣れていて、北米に来た時に戸惑ったのは事実。「全然やれてないからもっとやりたい」と。でもコーチとかからは、「怪我するからストップしろ」と言われる。そういう時には、やっぱり戸惑いましたよ。
どちらが絶対的にいいかは難しくて、最終的にはやっぱりバランスですよね。

Tsubasa
Tsubasa

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