スポーツをする人なら、体の柔軟性がいかに大切か、よくご存じだと思います。
今回は、クリニックを訪れた、アメリカの大学サッカーで活躍する選手のリクエストをもとにお伝えしたいと思います。
「ダンスが踊れるような腰」にしたい
その選手がリクエストしたのは、チームメートの様に、ゴールした後
「ダンスが踊れる様になりたい!」
という意表をつくものでした。
青嶋「どういう意味?」
選手「外国人チームメートは、ゴールを決めた時など、やたらと派手に踊り出すシーンが多いんです。それに比べて、自分の動きは上半身棒立ちで、チームメイトの様に腰をスムーズに振れないんですよね。もしかすると、自分はチームメートに比べて極端に腰が硬いのかもしれない」
さらには
選手「その腰の硬さが、自分のプレーを妨げているのではないか?と思ったりもするんです。何とかなりませんか?」
と、至って真面目な意見なのです。
この、一見しょうもないリクエストに応えてコンディショニングをした結果は、シーズンを通してプレー中に転ばないという形で、顕著に表れました。
「ダンスが踊れるような腰」にするには
具体的に、どういった筋肉をコンディショニングすると、そのリクエストに応えられるのか。
それは、
・大、中、小臀筋
・腸腰筋
・ハムストリングス
・IT band
など、腰回りに付いている筋肉全てを緩める必要があります。
それらを緩めることで、結果的に、hip joint(足の骨の付け根)が緩む事になり、hip joint における大転子(足の骨の先端で、骨盤と繋がる部分)の動きが、飛躍的に向上したのだと考えられるのです。
サッカー選手にとってのメリット
これら、腰回りから骨盤回りの筋肉を緩めたことで、どのようなメリットがあるのか、というと
1)ボールを蹴る足の振り幅が大きくなる
2)ボールを蹴る足の角度が広がる
3)下半身の力が抜けてボールのタッチが良くなる
4)下半身の力が抜けてボールを蹴るスピード、精度、パワーがアップする
などが考えられます。
日々、自分のプレーや体の動きの状態を敏感に感じとるセンスが大切。
些細な事でも気づいてケアしていくことは、自分流のコンディショニングを行う上でも、大きく役立つ可能性があるのです。
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