遠藤翼選手インタビュー (vol.6)~日本人サッカー選手として

フィジカルの強さが求められるカナダ・アメリカのサッカー。活躍するためには必須である語学、そして日本人のサッカー選手がその中で生き残るためのアプローチについてうかがいました。

サッカー選手と語学

Tad
Tad

正直なところ、アスリートの世界では、運動ができればいい、勉強は二の次、という風潮を感じるときもあるんです。特に人気スポーツでは雑音が多い場合もあり、自分で考える機会が少なくなることもあるように見受けられます。そのような中で翼選手は、アメリカで挑戦する、学校にも行く、ということを自分で考え決断しています。そのようなステップを取った経緯を教えてもらえますか?

もちろん高校を卒業する時にプロに行きたかったけれど、Jリーグから声がかからりませんでした。そして、卒業時点で自分はまだプロで活躍するまでのレベルでなかったことも分かっていました。でも、日本の大学は自分にとって次のステップでないとも感じていたんです。

Tsubasa
Tsubasa
Tad
Tad

それはなぜ?

インタビューの最初のほうで言ったことと重なりますが、部員は200人ぐらいいる、寮で6人で同じ部屋で生活する、という環境は自分が考えている生活ではなかったからです。その一方、前例があんまりない形だったのですが、アメリカから招待される、アメリカに行くという選択肢がありました。僕が行こうとしたアメリカの大学は、アメリカでもトップ10に入る大学だったので、レベルが高いし、環境もいい。プラス英語も学べると。英語が話せてなんぼの世界に今はなってきているということも感じていました。「英語を話せれば自分の世界も広がる」というようなことをも考え、自分にとってプラスになるんじゃないか、と決めましたね。

Tsubasa
Tsubasa
Tad
Tad

それは自分の決断で?

はい。もちろん親とも話しましたけど、最終的には自分で挑戦したいと、決断しました。

Tsubasa
Tsubasa
Tad
Tad

サッカーで挑戦するとき、語学・勉強は見ようによっては余計なものをかかえていることにもなります。英語は必要になる、という点は翼選手には大きかったのですか?

そうですね。そこは自分でもびっくりするくらいに「英語が話せるようになりたい」という信念がずっとあって。

Tsubasa
Tsubasa
Tad
Tad

サッカーを好きということもあるけど、将来を見据えると英語も大事であるということもあるのですね。

不調なときのアプローチ

Tad
Tad

少し話が飛ぶのですが、サッカー選手として好調な時も不調な時もあると思うのですが、不調な時に考えること・やるべきことはありますか?

結局は、不調なときは考えすぎることが多いですよね。僕の場合は、何かを変える。ずっと不調で、なにかうまくいってないときとかは、自分のなかでのルーティン、自分の生活に少し変化を与えること。そういうことをすることによって、脳を活性化して、少しでもその悪循環から抜け出す、ということを僕はしてます。

Tsubasa
Tsubasa
Tad
Tad

それは翼選手はうまくいくほう?

ずっと同じことをしていると、それは前進はしてないということですよね。うまくいっていればものを変えることは必要ないけども、なにかうまく行ってないときには、変えることで脳が活性化するし、自分に影響をあたえることができる。小さなきっかけでも、不調から抜け出せれると思いますね。

Tsubasa
Tsubasa
Tad
Tad

プロとしてやっていたらいろんな雑音が入る、多くの場合は邪魔になることも多い。そのようなことに対しては、どのように対応しますか?

僕は気にするタイプではあります(笑)。結構気にするタイプですし、小さいころから他の人がどういう風に僕のことを思うかを気にしていました。でも、アメリカに来てからそういうことがなくなりました。

Tsubasa
Tsubasa
Tad
Tad

アメリカに来ると、何か違った?

みんな、自由に過ごしてるじゃないですか。それで別に、他の人が自分のことをどう考えてようが自分のしたいように生きる、自分の意思で生きたい、という感覚が生まれてきましたね。

Tsubasa
Tsubasa
Tad
Tad

ある程度のポジションまでいった選手はちやほやされることもあると思います。でも、そういうことにあんまり流されていないですよね

人気・ちやほやの定義にもよりますが、そもそもアメリカだと、サッカーってあんまり人気じゃない。アメリカの他の四大スポーツに先に行っちゃいますね。結果として、サッカー選手としてはやりやすいとは思います。

Tsubasa
Tsubasa

日本人サッカー選手としての価値

Tad
Tad

(荒天で中止になりましたが)今年のシーズン初頭、日本のチームと対戦するプランがありました。(注:ヴィッセル神戸のプレシーズンマッチが北米でありました) 北米で日本のチームと対戦するときに特別な思いはありますか?

もちろんそれはありますね。日本人として、この北米リーグでやっていて、やっぱり簡単でないと感じることはあります。そんな自分は、日本のチームでは自分はやったことがないから、「ヴィッセル神戸とやる」と聞いたときは、自分がどれだけできるのかという意味で楽しみになりました。

Tsubasa
Tsubasa
Tad
Tad

それは違った道でやってきた自分が、日本のチームに対してどれだけやれるのかという興味ですか?

そうですね。どうやって日本のチームがMLSのチームに対してやっていくのか、とか楽しみでした。

Tsubasa
Tsubasa
Tad
Tad

日本のプレーと、カナダ・アメリカのプレーで大きく違うところところは、あるんですか?

北米は一対一が激しくて、縦に早い。フィジカルの局面に自分が直面したら、僕も体が小さいからやっぱり難しい、というのはあります。でも、日本だとそこまでフィジカルのチャレンジに直面する場面がないし、きれいにパス回して、パス回して、っていう感じだと思います。僕らのチームもパスを回して、パス回して、ってしているけど、ダメだったら蹴って、そのセカンドボール拾って、ってなる。そこは難しい部分なので、自分でポジショニングを考えたりとか、そういうフィジカルの局面にならなようにとか、頭使ってプレーしないといけない。そうしないと生き残っていけない。

Tsubasa
Tsubasa
Tad
Tad

アメリカからトライするという道は、翼選手が道筋をつけました。そのパターンに続こうとするサッカー選手も増えてきています。

そういう(アメリカ・カナダから挑戦するという)パターンで行ったほうがいい選手も全然いると思います。僕がそのケース。日本でやっていたらつぶれていたかもしれない。でも、違う地に行くことで、日本人がもっている特徴というもので、アメリカ人と違う貢献をすることができる。チームに価値をもたらすことができる。全てをうまくこなすという上手くいくがあると思うけど、それよりもやっぱり何か突出したものを持っていたり、特徴をだしていかないと他の国ではやっていけない。アベレージが高い選手もチームに必要だと思うけど、特徴、何か突出したものがないと生き残っていけないです。

Tsubasa
Tsubasa
Tad
Tad

日本のサッカーをもう一段上げるのも、そういう点かもしれないですね。そういう突出したものを評価するという意味で。

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