退路を断った女子フィギュアスケート選手 オリンピックへの道(vol.4)

Photo by Alex Rhee on Unsplash

2回目のオリンピック出場に向けて、対策会議を兼ね、BBQを催しました。前回のオリンピックに出場を果たしていたこともあり、今回は出場するだけでなく、その舞台でいかに大きな成果をだすかという、今までとは違った対策会議となりました。

気が付くと彼女はフィギュアスケーターとしてベテランの域に入り、今までの実績からオリンピック出場を有望視されています。しかし、ここで新たな問題が発生するのです。

新たなるライバルスケーターの出現

国民的人気を誇り、実力も伴うフィギュアスケーターの出現です。もちろんスケートの人気が上がるのはいいことです。が、同時に周りの騒音が増えるということも意味し、気をつけなくてはいけない事も増えます。

そんな、新たなライバルの出現もあり、より険しい道となったオリンピックの日本人出場権争いを、彼女は今回も最後のチャンスである全日本優勝で勝ち取ることができました。

氷上のアクトレスとなり、メダルを目指す

彼女にとって2度目となるオリンピック出場。目標は、前回手が届かなかったメダル獲得です。マッサージセラピストである私は、スケートの技術的なアドバイスができません。が、オリンピックのステージでは、実力があるだけでは通用しないことも理解していました。

そこで幅広い分野で活躍するエキスパート・友人を集めて、再度対策会議を開きました。

スケートと関係がありそうなダンサー達はもちろん、直接の関係なさそうなフライトアテンダント・主婦まで、様々なバックグランドを持つ人々が集まります。

それぞれの’視点でのアドバイス。当然、アイディアは多岐にわたりました。

「観客をあっと!驚かす様なことをしよう!」

「見た目を派手にしたほうがいい!」

「開催国の気質をかんがえると、おもしろい方が良い!」

などなど。

白熱した議論の末、出た結論は以下のようなものでした。

  • 初めはバレないように、氷の上で膝を抱えて顔を伏せてうずくまった姿勢をとる。
  • そのポジションのままでは滑れないので、コーチに押してもらいリンクの真ん中に行く。
  • ミュージックスタートと共に、「ジャーン」と立ち上がると金粉に塗ったの顔メイクで観客の度肝を抜く。
  • 続けざまに背中に仕掛けた通天閣の模型が頭の上に「ビョーン」と飛び出て一気にジャッジと観客のハートを掴む。

彼女は氷上のアクトレスといわれるほど、表情豊かな演技が持ち味。艶やかな演技を繰り広げれば、メダルは間違いなしという考えでした。

コンディショニングだけでなく、包括的なサポートも

オリンピック出場経験ありの本人を前にして、フィギュアスケーターでない我々からのアドバイスで少々申しない気持ちもありました。が、一つのアドバイスとして捉え、「振り付け師とコーチに相談してみます」と明るく答える彼女を見て「大人になったものだな!」などと感慨深い思いでした。

マッサージセラピストとしてコンディショニングのテクニックを届けるのはもちろん、金メダルを目指すには精神面・多彩な視点という包括的なサポートも必要、というエピソードです。

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