スケーターが、ジャンプの練習をする時に一番欲しいものは「高さ」。
「十分な「高さ」があれば回転するのは簡単だ」とフィギュアスケート世界チャンピオンを何回も獲ったスケートの神様が、以前教えてくれました。
スケートのジャンプで使う筋肉
高く跳ぶためのテイクオフを考えた場合、その踏切動作は基本的に垂直跳びのテクニックと同じです。
私たちは高く跳びあがる時、足首、膝、股関節、の3つの関節を曲げて伸ばし、踏み切ります。
スケートの場合、足首は靴により固定されていてほぼ使えません。実質、上膝と股関節の動きから、ももの前の筋肉(大腿四頭筋)とお尻の筋肉(大臀筋)を使ってジャンプすることになります。
垂直跳びは、股関節→膝の順番
踏み切るとき、股関節と膝、どちらを先伸ばしたほうがいいのか?
股関節を伸ばした後に、膝を伸ばして踏み切るほうが、その逆よりも、大腿四頭筋と大臀筋を効率的に使えるため高く跳べるという、研究結果が出ています。言うなれば、垂直跳びの二段発射です。
この時間差を伴う二段発射は、感覚を掴むまで反復練習が必要です。
感覚を養う際には、この動作をスローモーションで行うことも効果的。後ろから腰を支えてもらった状態から、ジャンプする時も継続して少し身体を支えてもらいスローモーションを作り出します。この状態からゆっくりと「腰から膝」という順番で、関節を伸ばしていきましょう。
ジャンプで使う筋肉のストレッチ
ジャンプで高く跳ぶのに必要な、①大腿四頭筋と、②大臀筋、のコンディショニングのポイントを説明します。
①大腿四頭筋コンディショニングのポイント
一般的な大腿四頭筋のストレッチが基本になります。
それに加えて、膝上4点セルフマッサージが効果的です。
②大臀筋のコンディショニングのポイント
こちらも一般的な大臀筋ストレッチが基本になります。
それに加えて、4の字ストレッチが効果的です。
スケートのジャンプを向上させる分解アプローチ
アスリートの方の課題を解決するマッサージセラピストとして、スケートのテクニックの練習だけでなく、一連の動作として、今まで無意識に行なっていたジャンプを、「ボディーメカニクス」+「コンディショニング「+「感覚」に分解して改善アプローチ、を私は提案しています。
コンディショニングは「トレーニングの付属するもの」でなく、「トレーニングを支えるもの」です。この考え方でアプローチすることは、本人のモチベーションにも繋がり、体のコンディショニング自体も「面倒な物」から「大切な物」へと変化、結果としてパフォーマンスを上げやすくなります。
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