退路を断った女子フィギュアスケート選手 オリンピックへの道(vol.3)

「えっ、オリンピック出場決定じゃないの?」

国際試合で好成績を残し、自分でオリンピック枠を一つ広げたので、てっきり出場決定かと思っていましたが、オリンピック出場への道は甘くありませんでした。ジャンプを勢いよく飛ぶ若手に最初の1枠を先に決められれ、残るひと枠を宿敵の日本人フィギュアスケーターと争う展開に。そして、彼女はシーズン通しての成績では分がわるかったのです。

またオリンピック出場チャンスも逃すのか

彼女に残された一発逆転の道は、最後の試合である全日本選手権で結果を出す事。

そして、多くの人の予想に反し彼女は土壇場で大逆転劇を演じ、念願のオリンピックへの切符を手にする事となるのです。

今までの雪辱を晴らす、見事な試合でした。

この小柄な彼女の体のどこに、あのメンタルの強さがあるのか不思議ですが、その後何十年間も近くで見ていて感じることがあります。本当のアスリートとしての強さとは、対外的に示すものでなく、本人が納得したアスリート人生を歩む事により、自然と自分の中に備わって来るということです。

自分の納得するアスリート人生とは?

自分の納得するアスリート人生を歩むには、いつも怪我をしている様ではダメです。自分に厳しくあり続け、練習よりも興味を持続し難い体のコンディショニングにも、時間を割くことが重要です。

考えてみると、過去25年間私が接してきたスケーターの中で、この部分にいち早く気づき、長期にわたり実践しているのが、フィギュアスケートで二度のオリンピック出場を果たした彼女だったのです。

結果として、スケーターとしては異例の長い現役生活をおくることとなった彼女。一般には知られてない事実なのですが、結果が残せなくなってきてからも、身体のコンディションを全盛期と同等に維持していたのは本当に驚きでした。

マッサージセラピストとしてできること

アスリートをある意味無責任に、結果だけで評価するのは簡単です。しかし、本来スポーツの持つ素晴らしさを、自身への向き合い方や、試合に挑む過程など、色々な形で私に見せて学ばさせてくれた彼女の偉大さを改めて感じています。

この経験から、各アスリートとしてのゴールを、単なる勝利ではなく、「自分の持つ最大パフォーマンスを発揮する」ことに置き、私はマッサージセラピストとして、アスリートたちの身体のサポートを実践しています。

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