コンディショニングの理想と現実

故障覚悟でないと、トップレベルでは戦えない?

箱根駅伝の選手が、オリンピック選手になる事が少ないという話を聞いたことがあります。
「ランナーとして消耗してしまう」そうです。

アスリートが若いうちにピークを迎え故障して引退というストーリーは、兼ねてから高校野球などでも議論を呼ぶ問題です。
立場により色々な意見がありますが・・・・・・

私は、故障覚悟で無計画に負荷をかける様な練習方法には賛成できません。

少なくともアスリート本人が現在から将来に体にかかるリスクについて十分に理解して取り組む選択肢があるべきだと思います。

しかし、実際には、この基本的な事がやりにくい状況にあるのが現状です。
理由は、多くの活動資金がないと、トップレベルで戦えないシステムになっているという「現実」にあります。
活動資金を確保する為、スポンサーを取ってアスリートがビジネス利用されるケースが多く、結果として自分の為では無くスポンサーのために戦うことになってしまう。
アスリートの体のコンディションは二の次という状況が出来上がってしまうのです。

理想はどうあれ、これが現実なので良いコンディショニングで自己防衛するのが唯一の対策で、その為に自分に降りかかるリスクを事前に理解して時間軸に沿って対策を打つ、自己判断をする事が必要になってくるのです

将来的にはアスリートファーストの環境を作るべきだと思いますが、実際には、競技ルールや指導方法の見直しなど難しい問題も抱えており、非常に時間のかかる問題でもあります。

しかし、競技レベルが上がってアスリートの身体に掛かる負担が大きくなる中、対策が急がれるべき問題だとも、強く思います。

その間にもアスリートは活動を続けるので、各個人が自己防衛出来るレベルの知識を持つ事が大切です。

コンディショニングのポジションとは

一般的に身体を強化する事が先行しがちですが、強化する為に体に負荷をかけるのであれば、その前にそれに耐えうる身体を作るべきです。

十分に身体を動かす準備が出来ていないアスリートに負荷をかけることは、身体にストレスを貯めて怪我に繋がるだけです。
逆に良いコンディショニングは最大の怪我のプロテクションとなります。
アスリート自身が、自分の身体の持つ可能性に気がつき、色々な可能性が広がります。

この様に、ポジティブなスパイラルに導くには、良いコンディションを継続して行う事が不可欠です。
人に頼っていたのでは、費用面など、様々な面において、実現不可能です。
この事から、良いコンディショニングとは、良いトレーナーを連れてくる事でなく、アスリート自身が、その大切さを自覚して自分で行うことだと言うことができます。

サポーターは、この様な方向に導くべく、コンディショニングの大切さや効果の出し方をアスリートにフィールドバックする方法を取るべきだと考えています。

「良いコンディショニングで自己防衛する」対策

確実にアスリートのダメージを削減して、非効率的な練習環境改善を目標とする対策を立てましょう。
このような知識の変化を、アスリートだけで無く、指導者や競技団体にも浸透させた上で、競技の将来を検討する必要があるかもしれません。

理想はアスリートが、全てを理解した上で、どの程度の覚悟で取り組むのか、を判断して
それぞれが持つ100%のパフォーマンスで、現役を送る事ではないかと思います。

Photo by Quino Al on Unsplash