サッカー選手の試合後のケア・ストレッチ

「サッカーの試合後、やるべきストレッチ・トレーニングはありますか?」

これもよく受ける質問の一つです。

プロサッカーリーグや、大学で活躍する選手のコンディショニングをサポートしたり、彼らとリサーチすることでたどり着いた結論は、体を鍛えるだけでなく、バランスを整えることが大切、ということです。

この時のバランスというのは、高ぶった神経を落ち着かせるメンタル面でのバランスも含んでいます。

試合後の、メンタル面でのバランスの取り方

人によって効果的なバランスの取り方は異なるので、自分の最適なアプローチを探すことになりますが、強度の高い競技をしている方の一例は下記のようなことです。

  • 呼吸を整えるようなヨガエクササイズをする
  • ストレッチ・エクササイズの後に氷風呂に入る
  • バランスの取れた食事を摂る

このような全体を調整する様なことをメインにすると、彼らは教えてくれました。
試合後のアプローチとして、使った部分だけを集中的にストレッチするのでなく、試合で高ぶった神経を落ち着かせて筋緊張を和らげたり、気持ちをリセットさせることするのは、試合後のアプローチとして的を射ていると思います。

試合後の、サッカー選手のストレッチ

まずサッカー選手が酷使している部位を理解する点から考えます。
一般的なサッカー選手がよく使い、ケアが必要なポイントは下記になります。

  1. 腿を引き上げる筋肉である、ヒップフレクサーを緩める
  2. 全体重を受け止めている、足首の手入れをする
  3. 呼吸の質を大きく左右する、胸の緊張を緩める
  4. 腕を振れるように、肩を緩める
  5. 下半身でバランスがとれるように、お尻の筋肉を緩め

などです。
この特にサッカー選手の体に負担がかかっている部位を緩め、お手入れすることは、試合後でも有効なアプローチとなります。
自分最大のフィジカルパフォーマンスを導くため、体は鍛えるだけではなく、緩めたりバランスを整えるがとても大切です。本当にパフォーマンスを上げたいならば、アスリートが始めに取り組まなくてはいけない、そしてずっと続けなくてはいけないタスクです。鍛えるほうはみんな意識が行きやすいのですが、バランスをとること、試合後・普段もケアを怠らないことを、アスリート本人や指導者の方も気を付けてほしいと思います。

具体的なストレッチのアプローチ

では、上記の五つの部位に対応した、アプローチ方法を紹介します。

  1. ヒップフレクサー: 大きくて深い部分にあるために、通常のストレッチでは効果があまり期待できない部位です。腰周りを直接セルフマッサージして緊張を取ります。膝の上がり具合によって緊張が取れたかを確認しましょう。
  2. 足首: 足首周りの腱を中心に緩めてます。足首の可動範囲を計測して、効果を確認しましょう。
  3. 胸の緊張: 両手の指を立てて肋骨に沿ってマッサージし、胸郭の緊張を緩めます。呼吸を実際にして効果を確認しましょう。
  4. 肩: 肩関節周りの腱や靭帯を直接刺激して緩めます。肩関節をまわし可動域を確認しましょう。
  5. お尻の筋肉:うつ伏せで膝を90度曲げて立てた状態から足を開き、お尻の奥の緊張を取ります。足が開く角度で効果を確認しましょう。

大切なことは、このような基本タスクを習慣つけて、自分の日々のコンディションの変化を感じること、日々のプレーの変化から身体の変調を自分で予測することです。効果を確認する目的は、自分が正しいアプローチをしているかを自分で確認しながら実行するためです。

その中でも特に気を付けてみてほしいことは、痛みなどの自覚症状無しに忍び寄ってくる腱や靭帯に溜まる疲れ。

自覚がないから見逃すことを防ぐため、コンディショニングにおける効果の確認作業を感覚で行うのではなく、関節の可動域など絶対的な基準で行う必要があります。腱や靭帯の疲れは、関節可動域の減少という形で現れるからです。
このような計測すればわかる体からのサインを見逃したことにより、多くのアスリートが怪我に見舞われています。

実際にオリンピックメダリストや様々な舞台で活躍したアスリートを診てきた私の経験上、この「自分でコンディショニングの確認ができること」をマスターすると、プレーが安定したり、大きな怪我をしなくなったりアスリートとしてワンランク上の選手になる事は間違いありません。コンディショニングすると、体が良く動く、実際にパフォーマンスが上がることを実感する、そしてそれを継続することが大切なのです。

Photo by Jeffrey F Lin on Unsplash

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