様々なスポーツ、日常の生活で必ず使う、肘(ひじ)。使う頻度が高い部位だからこそ、トラブル・悩みも多い箇所です。
肘関節の、基本的な動き
肘関節の動きは次の4つがあります。
1)ひじを曲げる
2)ひじを伸ばす
3)ひじを内側に捻る
4)ひじを外側に捻る
4つの動きがあるということは
=少なくとも4つの筋肉がひじを動かしている
=ひじのストレッチは4種類必要
というのが基本的なアプローチです。
ひじ関節をストレッチするときに、意識する筋肉
では、実際にストレッチするときには、どの筋肉を意識するといいのでしょう? さきほどご紹介した4つの動きごとに説明します。
1)ひじを曲げるとき=主要な筋肉は、ポパイの上腕二頭筋。
2)ひじを伸ばすとき=主要な筋肉は、上腕の外側に付く上腕三頭筋*。
3)ひじ内側に捻るとき=主要な筋肉は、回内筋、腕橈骨筋
4)ひじ外側に捻るとき=主要な筋肉は、ひじを曲げる時に使う上腕二頭筋と回外筋
これらが、ひじ関節をストレッチするときの、ターゲットとなる筋肉です。
*二頭筋、三頭筋の呼び名の違いは筋肉が骨にくっつく部分が2箇所か3箇所かの違いです。
ここに出てきた上腕二頭筋、上腕三頭筋、回内筋、回外筋、腕橈骨筋
といった筋肉をトータルでストレッチする必要があります。
実際にひじ関節に確実に効くストレッチとは?
ひじ関節のストレッチ方法はグーグルで検索すると、数えきれないほどでてきます。マッサージセラピストとしての私からアドバイスは、トータルでストレッチすること。
本来4つの種類をやらなくてはいけないストレッチを、トータルでアプローチすることで、確実に、簡単に、そして効率的にコンディショニング出来るワンランク上のアイディアです。
【Tad式アプローチ】ひじ横断コンディショニング
トータルでひじ関節にアプローチするやり方自体は簡単です。
- ひじの上と下の部分で一本のラインをイメージし、それに沿って奥を探りながら押していきます。
- 所々に筋張った物に当たるので、その筋を逃さずに1分程圧を持続します。
- ひじ周りの奥に感じる筋張った物こそが、ひじを動かしている筋肉のくっついている部分なのです。なので、この根元を緩めれば筋肉自体をストレッチしなくても自然に筋肉も緩む可能性が高いのです。
- この動作を、ひじの上と下の2ラインに対して、繰り返し行います。
肘の関節は慢性疲労が溜まっているのが見逃されがちです。筋肉の根元にアプローチすることは、慢性疲労を改善する点からも非常に効率的と言えます。
ひじ関節と骨の構造の問題
ひじ関節 に関係する骨は3つあります。
1)ひじの上の上腕骨
2)ひじの下尺骨
3)ひじの下橈骨
1)と2)+3)の骨でひじの関節を構成されてするので、ひじには2つの関節面が存在することになります。
ひじに炎症がおきたり、関節内部がすり減るなどの深刻な問題が発生している場合、ひじ関節周りの緊張に気づかずに長期間放置し、この2つの関節面のテンションが上がって擦れていることが原因であることが多いです。
このようなシナリオを避ける為には、「痛い痛くないといった感覚的な判断」ではなく、客観的判断基準と絶対基準を持ってコンディショニングを行う事が大切です。