長い筋肉という言葉を聞いたことありますか?
関節の最大可動域でも全然筋肉がストレッチされない柔らかい筋肉は、「長い筋肉」と呼ばれています。
ストレッチできない筋肉!?
ストレッチというのは、関節の動きに伴い筋肉が伸ばされてくる動き。最大可動域で伸びないのだから、ストレッチで「長い筋肉」を緩めるのは不可能なのです。
ですが、この筋肉をストレッチできないからと言って何もアクションをとらずにいると、慢性的な疲労・硬さから故障のもとになってしまうのです。これは、ふだん十分にストレッチに時間をかけている人(バレリーナなど)は特に要注意。
体がやわらかく、一見全身フニャフニャに見える体の持ち主は、自分の体に緊張が取れていない筋肉があるなんて思ってもみません。なので、結果として疲労した筋肉に気づかず大きな問題の原因となってしまうのです。
長い筋肉のコンディショニングの見極め方
このような危険な状況を防ぐためには、まず客観的な判断基準を持ってコンディションを見極める、つまり長い筋肉に柔軟性があるか、疲労がたまっていないか、を確かめることが重要です。
- 鏡の前で、自分の肩の位置を確認する
- ポイントは、肩の高さ、左右のバランスがとれているか
- 床に寝て、両肩が床につくか?
- 床に両足を前に伸ばし座って、つま先で床をタッチできるか?
- 両足を揃えて立ったポジションからゆっくりと腰を下ろし、最後まで踵を上げずに下ろせるか?
もしも、この判断基準で、バランスが悪い・意図した動きができない場合、「長い筋肉」のコンディショニングが悪化していると言えるのです。
長い筋肉のコンディショニングの仕方
当然といえば当然なのですが、ストレッチすることができない「長い筋肉」なので、通常のストレッチでは伸ばすことができません。
一般的なストレッチでは力が全域に伝わらず、その効果がゼロになるという悩ましい部位です。ただ、上記のコンディショニングチェックでリスクがある場合、何もしないと、慢性的な疲労や、故障の原因になってしまいます。
「長い筋肉」対応としては、一般的なストレッチにアクションをもう1つ追加することで、不可能を可能にします。(2ポイントストレッチ)
「足首のすねの外側」を例に説明します。
【Tad式】2ポイントストレッチ
- すねの外側の長い筋肉の足首から20cm上の部分を親指で深く押さえて(1つ目のポイント)、そのポイントの上は無視。そのポイントから下の筋肉に集中してストレッチ効果を高めます
- 手で足首を掴んで床に向かって押していく(2つ目のポイント)
- 動きが止まったポイントで力を1分ホールド
- 再度、床に向かって押す
2つのポイントを意識し、すねの下半分の筋肉だけを集中して伸ばすこの動作を繰り返すと、慢性化した足首の硬さを簡単にかつ効率的に改善することができます。床に両足を前に伸ばして座って、つま先で床をタッチできる状態が目標です。
このように、「長い筋肉」のコンディショニングを整えるには、一般的なストレッチにもう一つポイントを追加することで、意識的に部位にアプローチをかけるのがおすすめです。