2020年フィギュアスケート・カナダのチャンピオンになったローマン選手。
彼とは長年接しているのですが、私が考えるアスリートの長期を見据えたプラニングの重要性をお伝えするにあたり、彼の持っていた悩みとそれを乗り越えられたマインドセットをお伝えしたいと思います。
ローマン・サドフスキー選手(Roman Sadovsky)のストロングポイント
幼少期のスケートは好調だったものの、身長が伸びていくにつれ、スケートが不安定になった時がありました。
この時期は、ジャンプのバランスを崩すなど、その高くなっていく身長がマイナスに働いたのですが、身長が伸びきってコントロールが効く様になってからは、フィギュアスケート界では飛び抜けて高い身長や手足の長さ、身体のしなやかさを活かすようになります。
彼が持つ素晴らしい武器は、音を長く掴むスタイル。これは、他の選手が絶対に真似できません。
特にスローな曲では、手足の長さを使って音を十分に掴む表現をして、見る人を惹きつけます。他の選手が真似の出来ない、ローマン選手のストロングポイントなのです。
さらに、ローマン選手は、
「フィギュアスケートは身長が低くて体重が少ない方が有利」
という、フィギュアスケート界の定説を覆す様な選手です。
元々スケーティングの巧さには定評があるため、ジャンプ頼りの試合にならず、オールシーズンを通して安定した戦いができるのです。
これもまた、ローマン選手のストロングポイントですね。

スケーター本位の判断軸をもつこと
成長期のバランスを崩した時期にはクラブから理不尽な目に遭い、ローマンママから相談された事もあるくらい、不安定な時期の彼は悩み苦しみました。
私は、この様な経験を過去25年以上沢山してきています。
ですので、コーチが言う事を100%信用するのではなく、結果的にスケーター本位に物事を判断する癖が付きました。
これは、マッサージセラピストとして『コンディショニング』をサポートして行く上で、非常に良い結果をもたらしていると感じます。
心も体も、無駄に力を使わずに
ローマン選手から学ぶべき事は、
・長くアスリート生活を続ける中で重要なのは、必死に練習するだけではなく、時間が解決してくれる問題もあると理解する事。
・アスリートのキャリアで起こる色々な出来事の対処法を、過去から学ぶ事。
です。
これらは、
・アスリートとして活躍するために、今目の前に起こっていることだけで判断してしまいがちな状態を避けることができる。
・長く活躍することで、自分しか持ちえない強みを、より一層意識し、注力すべきポイントがはっきりしてくる。
という結果をもたらします。
最後に、ローマン選手のコンディションを見て気がついたのですが、
Canada National Championship の試合直後にも関わらず、体に疲れを溜めていないのには驚かされました。
過去25年間、この様な選手は他にいませんでした。
想像するに、ローマン選手は無駄な力を使わず、自然な動きに近い動作でスケーティングをしているのではないかと推測します。
スケーターの体を守るという意味においても、このような滑りが、もっと評価されると良いと考えています。
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